ワ ッ ト ポ ー に つ い て


ワットポーについて


 ワット・ポーはタイ国や外国に広くその美しさが知られた王立寺院で、巨大で美しい涅槃仏が安置されています。また、境内の壁画では芸術、風俗習慣、古典医学など様々な学問分野について文章や絵で説明されており、庶民が誰でも自由に壁画を見て勉強することが出来るようになっています。

 Watpo Thai Traditional Medical School(ワット・ポータイ伝統医学マッサージスクール)は1955年に開校し、タイの伝統的な薬草の調合法、診察法の教育を行ってきました。1962年からはタイ古式マッサージのコースも設置され、現在では4つのタイ医療の基本コース(薬学、伝統医学、助産、タイ古式マッサージ)を提供しています。また、ワット・ポーはタイ国教育省(文部省)及び保健省(厚生省)に管理されたタイで初めてのメディカルスクールでもあります。
 中でも、特にタイ古式マッサージのコースが有名で、短期間で修了できる基本的なコースもあり、安全にマッサージを行う方法を習得することができます。 現在までに多くのタイ人または外国人がこのコースを修了し、各地の古典医学校で講師をつとめたり、世界中のマッサージ業界やスパ関連業界で習得した技術を生かして活躍しています。

 さらに、1998年には日本人及び外国人向けにワット・ポーの分校としてスクムビット校が開校しました。ワット・ポー本校で長年教鞭をとり、中国やイタリアなどでの海外指導経験もある専属講師が、タイ語、英語及び日本語で授業を行っています。 また、スクムビット校事務局には日本人スタッフが常勤しているので、受講予約や申込手続きも日本語で対応してくれているので、言葉に不安がある方でも安心です。

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タイ古式マッサージの歴史

 タイ古式マッサージは古くはスコータイ王朝のころからあり、インドと中国のマッサージの影響を強く受けたものだと言われています。

 西暦1836年(仏暦2379年)ラマ3世王がワット・ポーの大改修を行った際、誰でも自由に勉強ができるようにと考えて当時の様々な学術所を集めてその内容を壁に書き記させました。壁に描かれたものは主として芸術関係が多く、医学関係ではマッサージのツボを示す図が60枚、ツボを刺激するポーズ(ヨガスタイル)をとったタイの隠者の絵が80枚描かれており、また診療と薬草の調合法についての文章が1100種類記されています。

 その後、ワット・ポーの古典医学校では壁に描かれている内容を写し取り人々がどこでも勉強出来るようにと本に編集し出版しました。現在ではこれらの本の何冊かはタイの厚生省に認められタイの古典医学の基 本文献となっています。この寺院で教えているコースの中でも特に古式マッサージについては有名で継続的にマッサージの治療を受けている人も大勢います。

 治療法と製薬方法は土曜日と日曜日にのみ教えられており試験を受けて合格した場合厚生省から認定証が受けられます。また古典マッサージコースではコース終了生が安全にマッサージが出来るようになる為の短期間で終えられる基本的なコースも設けられています。  

尚、外国人の為にバンコク市内のスクムビット・ソイ33に1998年1月よりワット・ポーの分校がオープンし14年間ワット・ポーで教え、中国やイタリア等での海外指導経験がある専属講師が4名、英語及び日本語・タイ語で授業を行っていますので、言葉の心配はありません。 





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タイ古式マッサージについて

  タイ古式マッサージでは呼吸のタイミングに合わせ指だけでなく、身体の力も使い、身体の硬さ、年齢、健康状態によってマッサージの方法も異なるので、一通りマスターするには最低30時間の受講を必要とします。

 「マッサージする」ことをタイ語でヌアットといい、この名のついた店が町には2種類ある。1つはアプ・オップ・ヌ アット(浴びて蒸して揉む)、いわゆる特殊個人浴場、はっきり言えばソープランドで、もう1つがヌアット・ペーン・ボラーン、タイの誇る伝統文化、古式マッサージのお店である。この2つの内部で行われていることは全く 異なるにもかかわらず、両者ともどぎついネオンで飾られた似たような造りの建物であることが多いので間違えやすい。またそういう店ではマッサージ師たちもソープランド嬢同様、胸に番号札を付け、ガラス張りの部屋の雛壇に座っているので値段を聞くまでは何だか安心できない(マッサージの料金は普通1時間150バーツから250バーツほど)。中には古式マッサージの看板を掲げつつ、ソープランドだったりする店もあるようだ。

  王宮の隣にあるワット・ポー(涅槃仏)のマッサージ所は誤解の余地がなくていい。むろん、スクムビット校も、その点は、安心してマッサージを受けることができる。ワット・ポーには、一般向けの(無試験入学できる)タイ法医学校があり、1961年からはタイ式マッサージの教授コースも開設され、大勢の生徒を集めているのである。

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マッサージ技術の継承

 マッサージの技術の継承は、代々親から子、孫へと、または僧侶から小僧、信者へと、家庭と寺を中心に行われてきた。その見よう見まねの口移しで伝授されてきた知識が、初めて正式に編纂されたのがラーマ1世時のこと、場所はこのワット・ポーで、1790年の寺院修復の際に、薬草学と行者(タイ語でルーシー)の身体矯正術の知識を、サーラー(あずまや)に彫り付けたのである。その後1820年、まだ王子であったラーマ3世はラーチャオロット寺の修復にあたり、石盤に刻んだ薬学、按摩などの解説を本堂の壁に張り付け、即位後の1831年、2度目のワット・ポーの修復の時には、ここを一般庶民のための大学にしようとの考えから、マッサージを含む各種学問の編纂を行い、それをサーラーの壁や柱に彫り付けた。

 というように、タイ式マッサージ継承の地ともいえる歴史を持つワット・ポー協会副会長、ワット・ポー財団委員会副会長、タイ方医協会全国センター顧問、タイ方医学校協会理事などの肩書き(1枚5バーツするんじゃ、といって貰った名刺に細かく刷ってあった)のあるプラサーン・ワスワット氏にお話をうかがった。隣では、建物2棟分にずらりと並ぶベットの上で生徒たちがマッサージの実習に励んでいた。

 その後の按摩術の編集の歴史を述べると、ラマ4世時にソンクラ県のマチマワート寺のサーラーの壁に、矯正術を図解した行者の絵80体が描かれ、ラマ5世時には、医学書の整理・編集と、クメール語、パーリ語からの翻訳が行われ、民間医学の公定教科書が作られた。

 その後1906年にはクロムムーン・プーボディーラーチャハルタイらにより、按摩で最重要とされる身体の10の主線(セン・シップという)、並びに副線の図解を載せ、線と病気との関連、按摩の仕方、その体位、禁止事項などを解説したタイ式マッサージの公定教科書が作成された。しかしこの教科書は王室按摩師(昔は 按摩師局というのがあり、王室専属のマッサージ師がいて、800のサクディナー[緑田。社会的地位を表す]を承り、プラヤー級の地位の者と等しい官職を与えられたという)の間だけで使用されたようである。

 またこのラマ5世の時代には、タイで初めての医学学校が、現在のシリラート病院に建てられ、タイ式マッサージも教科のひとつになった。しかし暫くしてマッサージのクラスは廃止された。生徒の関心の少なさが原因だったといわれている。1892年に3年制の新タイ方医の学校(タイ方医と西洋医学を組み合わせて教えた)が設立され、ここでは体のだるさを取るだけでなく、病気治療のための上級マッサージの知識・技術の習得を目的とした576時間にも及ぶクラスが開校された。

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タイ国益への振興




 1番最近のマッサージ教科書作成の試みは、1985年のタイ式マッサージ振興計画による『タイ式マッサージ虎の巻』の出版で、編集者はタイ方医の教授と5つのマッサージ学校、それに現代医学に携わる専門家から成り、内容は一般向けであるが、非常に詳しい。その本の序文がおもしろいので、一部訳出してみる。

 「何をやるにしても、それがタイ人の仕事を奪い、生活を貧しくするようなら、正しいこととは言えない。タイ方医は全て良いわけでも、全て悪いわけでもないのであるから、西洋医学にのみ注目し、タイ方医を捨ててしまってはいけない。それはタイに伝わる良いものの利用・発展の機会を無くし、外国に大量の金を払った上、タイ人の職を大いに減らす結果を招く。それに現代医学もタイ式マッサージ、タイ方医の効用を認めているのである。この本はタイ人・タイ国の利益のため、タイの文化、学術の振興を目的としたものである。タイ式マッサージが普及すれば、タイ人の雇用を増やすことになり、外国から購入する薬の量も減り、タイの経済にも寄与するところ大である。」

 すごい大風呂敷であるが、昔のマッサージ師の地位を考えれば、その誇りももっともであると頷ける。しかし現在では法律により、タイの方医は医療学、薬学、産婦の3部門に分けられ、マッサージは独立した地位を 与えらておらず、医療学の1部であるにとどまっている。それゆえ、マッサージだけの専門的な学校の設立が阻まれ(マッサージだけでは国からの免状が貰えない)、レベルアップが難しいという状況であるようだ。

 またマッサージに向けられる一般のイメージにも問題がある。プラサーン氏は、みんなソープランドが悪いのじゃ、と言っていた。しかし開口一番、「わしは80すぎてるんじゃ」と語った氏は、実際まだ60代にしか見えず、これは日頃のマッサージの賜物であろうと思われる。

 ワット・ポーのマッサージサービスは、毎日8時から6時まで開いている。一度試して気にいれば、今度は生徒になって技術を身に付けてしまおう。

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タイ古式マッサージの効能

  タイ古式マッサージは古くはスコータイ王朝時代からのもので、インドのマッサージの影響を強く受けてできたものである。1836年(仏暦2376年)バンコク王朝のラマ3世によってワット・ポーに医師が集められ、診療と薬草の調合法について1100種類の方法が文章によって壁に記された。このほか医学関係の壁画もあり、ヨガスタイルのつぼを刺激するポーズをとった絵が80枚と、マッサージのツボを示す図60枚が同様にしてその壁に記された。現在これらは、本に編集され出版されている。その本の中の何冊かは、タイの厚生省に認められタイ古典医学の基本文献となっている。

  マッサージの要素としては (1)疲れを取る(2)部分的なケアー(3)女性の産前・産後のケアーの三つがあげられる。つまりマッサージ師は薬を使わず、つぼで身体の疲労や内臓器官の治療をする医者のようなものともいえる。もともとは、隠者が自分自身1人で出来るように工夫されていたという。

 ワット・ポーで30時間の授業を受けるとワットポーから受講終了認定証が発行される。

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